豊前市:銅板法華経・銅筥(どうばんほけきょう・どうばこ)

仏法が滅びてしまうことを案じ、銅板に法華経八巻と般若心経とを刻み、それを後の世に伝えようとしたもので、室町時代に築上郡求菩提(くぼて)山の普賢窟(ふげんくつ)で発見されました。
方形の鋳銅板(約21.2cm×18.2cm)の33枚の両面に、法華経と梵文の般若心経を線刻したいわゆる銅板経と、それを納める金銅の筥(総高22.5cm)で、銅筥外側面の、並坐(へいざ)の釈迦・多宝(たほう)二仏、弥陀三尊(みださんぞん)などの図像は、数少ない平安時代の絵画資料でもあります。
類例稀な経塚遺物として、しかも完存している点など、非常に貴重で国宝に指定され現在は九州国立博物館に所蔵されています。